公開ライブ(ここでよく使われる隠語のようなもの)を1本やってくれということで、やりました。別の指名を受けた人はなんで自分なんだとか、会議で質問したからそれへのあてつけじゃないかとか、こんなに業務過多で大変なのにさらに公開ライブなんてムリ〜とか言ってましたが、確かにキツイなんてもんじゃないタイトなスケジュールでした。わたしなんて、締め切りの日があるってことをきちんと認識していなかったのも悪いんだけど、締め切りすぎてから譜面を書き始めたからね(爆)。
で、なんとか1本やりきったのですがね・・・。個人的にはいろんな意味であり得ないことをしたにも関わらず、それっぽくできてしまったことに対する自分自身への不満があるのですよ。具体的には次のような感じですかね。
・ゲネプロ(本番同様の条件で行う通しリハ)を行っていない。
といいながら、わたしの場合、日程の関係上期せずしてゲネプロなしでぶっつけ本番ってことはよくあります。ゲネプロで問題点を洗い出すというよりは、やや荒削り気味の公開ライブで指摘を受け、「貴重なご意見ありがとうございます」ってことにしておくことのほうが多いですな。
・最新の(?)ハイテク技術(??)を使った演出を行ったにも関わらず、実はそのハイテク技術を使うのは初めて。
機材トラブルとかあったら、どうするんだよって感じですよね(汗)。
・人に見せる用の譜面(セットリスト+コードのようなもの)は資料として必須なのでちゃんと書いたけど、それとは別に自分が演奏する上で理解できるような譜面(実際の五線譜上のおたまじゃくしのようなもの)を書かないまま本番に臨んでいた。
恐ろしいまでのぶっつけ本番。わたしの感覚において、自分の譜面がないのにライブをするなんてありえないことです。なぜそうなったかというと、構成してきちんと譜面を書く時間がなかったから。まぁ、わたしのものにしては珍しく、きちんとした五線譜の譜面を書いて臨むことにそぐわない要素のあるライブではありましたが。
・まったく時間が足りなかった。
お客さんにはわからないはずなんです。前述の、人に見せる用の譜面を見ればわかってしまうだけのことです。お客さんには五線譜上のものは見せることがありますが、セットリストのようなものを見せることはありません。ちなみになぜ足りなかったのかというと、譜面の上では4時間分のライブなのに演奏時間は2時間半までだと言われていたからって感じかな。こんなにたくさん演奏できるかな〜?と思ってセットリストを作ったけれど、やっぱりできなかったって感じです。
自分の中ではこんなにズタズタだったのに、お客さんが楽しんでくれたのと、元から構想されていた内容のよさもあって、なかなかいいモノだった感はあるんです。会社の重鎮のような方にも、「お客さんとして、こういうライブを観たかったなぁ」みたいなことを言われたし。さらには、全体の方向性のたたき台のようなものは見事に提案できていたと思うし(事実反省会の議論の内容がそういう感じで充実していた)、目的はきちんと達成されているのです。なのに何だろう、この自分自身が持つもやもや感のようなものは、といったところでしょうか。
いろんな意味でやったことのないようなことをやったから、それに対する自己評価がきちんと定められないってことなのかもしれません。いい歳してというか、いい歳になったから思うんだけど、新しいことに挑戦していかないと、パフォーマーとしての自分自身の成長はないよねぇってことを考えさせられたのでした。