2006年09月14日

釣りバカ日誌17

 現在邦画最強のご当地ムービー、「釣りバカ日誌17」を見てきました。わたしの指先から釣りバカの文字がほとばしるなんてかなりの意外性かと思うんですがどうですかね?(笑)

 ずいぶん前に母からタダ券をもらったのですよ。石川ロケ記念鑑賞券だって。しかも1枚と中途半端。そもそも会社で買わされたのだとか。夏休みには能登全域の全市町(村は存在しない)で、それこそ映画館がなくても町民ホールのような場所とか、中学校の体育館とかで連日上映してました。そんな驚異的動員力も、母のように身銭を切って買わされて、きょうのわたしのように寸暇を惜しんで(笑)、足を運ぶことで下支えしているんだろうな〜と思うと感慨深いものがあります。そろそろ2時間座って映画を見ても腰に問題はないだろうと思い、朝っぱらから近所の映画館に行ってきました。

 入場券を切られて、わたしの前をゆく5人の年配者。孫までも一人前になってそうなくらいの方々。正確には3人と、夫婦2人の計2組。あぁ、やっぱ平日の朝っぱらから釣りバカを見るなんて暇そうな人は、これくらいの年代なんだよねぇ(爆)。彼らは老眼なのか、妙に前の方に座るし。しかも席に着くなり、3人組のうちのひとりのつぶやきがまた印象的。「誰が見に来るこっちゃ(誰が見に来るって言うの)」。う〜ん、やっぱ平日の朝から、そういうふうに思うのが普通だよねぇ。

 この6人のまま始まるのかと思っていたら、その後意外にも結構客が入ってきました。子供にはすっかり手がかからなくなったであろうご婦人が1人×3組、そして先の夫婦よりは若そうで孫がいるかもくらいの夫婦が1組。計11人で「釣りバカ日誌17」の上映が始まりました。

 正直言ってタダ券がなければ見に行かなかったでしょう。でも結構おもしろかったですよ。ご当地ムービーなだけに、兼六園も千枚田も能登空港もバッチリ登場。新名所の21世紀美術館も押さえてますし、国道249号線を走っていると思われる北陸鉄道バスのバックは能登半島の海沿い風景。一行の宿泊先はあの加賀屋だし、細かいところでは実在して廃校になった小学校で行われた神事の場面に置いてある酒は地元の地酒、宗玄だったりする。そして本県出身のダンディ坂野とか、道場六三郎もちらっと出演。

 ストーリーは西田敏行が演じる主人公ハマちゃんの勤める建設会社で、手がけた仕事が廃校の小学校跡地を利用した老人ホームの建設。ちょうど同じ頃、かつてこの建設会社に勤め、結婚を機に退職した女性が7年ぶりに再雇用制度で戻ってくる。ところがこの女性、伝説のマドンナとも言われていたんだけど、なんだか浮かない感じのことがある。この会社の社長で、実は釣りが大好きな三国連太郎演じるスーさんは彼女のことを気にして、さりげなくハマちゃんに探りを入れるように言う。ここから彼女にまつわる知られざる事実が明らかになる。それを軸に彼女の出身地である輪島を舞台に物語は展開して・・というもの。西田敏行と三国連太郎の2人で釣りばっかりやってる映画かと思っていたんですけど、意外と三国連太郎は釣りをしたそうな顔をするとか、釣具店で西田敏行に会うといった程度。釣りがなくてもしっかりした物語に仕上がっていると思います。

 あとドラマに比較して、やっぱ映画はお金がかかっているのでしょう。最近大河ドラマでも多くなった気がしますが、関係キャストだけが映るようにアップにして、背景を見えないようにしてごまかすようなカメラワークを多用しません。もちろんこのためには、動員された地元民エキストラの働きも大きいのでしょうが、その結果キリコ祭りや輪島の朝市のにぎわい、金沢の浅野川沿いの風景などもしっかり描かれて、よりご当地ムービーらしさが出ていると思います。またこれも大河ドラマで増えていますがシーンを細切れにせず、カットなしで比較的長い時間を撮影することで、間のおもしろさや緊張感もしっかり表現されている感じがしました。こういうところにテレビとは異なる、映画ならではの作り込みの良さを感じてしまいます。しかしよく見ると、出演者が言う方言のイントネーションはかなり微妙。文字に表された台本を読むだけでは、このへんの方言は難しいのです。

 時には、見たくないものでも縁あって見てしまったことが、新しい発見をもたらしてくれることも多々あるでしょう。そういう経験が人の幅を広げるのだと思いますし。ぜひ映画館に足を運んでみてくださいとまでは言いませんが、タダ券もらったから行くとか、暇なときにビデオを借りて見るとか、テレビで偶然放送されていたのを見るという程度の楽しみ方が似合う映画だと思います。
posted by てつりん at 15:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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