2012年10月05日

立山カルデラ砂防体験学習会【完結編】

 もう先々月の話ですよ。そのうち書こうと思いながら、ここまで放置してしまいました。ちなみに【その1】はここで、【その2】はこっちです。

 さて、足湯で疲れを癒すうちに、これまで乗ってきたバスは去って行きました。正確には、前半トロッコに乗ってここまで来た人達を乗せて、ここまでわれわれが回ってきたコースを逆回りに下山していきます。そしてわれわれは、少し歩いていよいよトロッコの駅へ向かいます。足元を見るとかつてのトロッコの線路跡としか思えないものも見ることができました。
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 ここで分かれ道。どう見ても左ですよね? 当然左でしたが、少し前にトンネル工事現場での事故があったこともあって、酸欠対策が特にうるさくなっていたようで、念入りに空気を送り込んでから案内されます。
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 ちなみにこのトンネル、実は通路ではなかったという。えぇ、先に進むためには、右側の明らかに古いトンネルを通るんです。ではなぜここを案内されたかというと、このトンネルの中そのものが見どころだったから。

 トンネル入口に向かって左側の壁の向こう側が、【その2】で出てきた白岩砂防堰堤の対岸付近に当たるそうです。このあたりは崩落の危険性が高く、かといって崖の表面を表から抑えこむような、通常の工法は取れなかったのか何だったのか。時間が経ちすぎて記憶もあやふやになっていますが、手元の資料によると、「景観を維持した岩盤補強」と書かれています。

 トンネルを掘って、トンネルから補強したい岩盤に向かってアンカーやワイヤーを打ち込む。そして裏側(トンネルの内側)から引っ張ることで、岩盤の崩落を支えていたのでした。いや〜、スケールのでかさに驚くばかりです。結局このトンネルはどこまで続いているのかわからずじまいでしたが、きっと最後は行き止まりだと思います。ワインセラーとかにすればいいのにという話も出ていました。
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 トンネルの分かれ道に戻って、今度は右側を進みます。今では作業用の車が通る道になっていますが、暗い足元をよく見るとここにも線路跡がありました。かつての輸送手段は全てトロッコでしたが、だんだんクルマの割合が増えているそうです。そしてトンネルを抜けると、長らく忘れていた人の気配がムンムンの場所にたどり着きました。トロッコの終着駅、水谷です。自販機は場所柄、1本250円とかのぼったくり価格かと思いましたが、予想に反して下界と同じ、超良心的価格でした。
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 かつてはこのエリアももっと広くて、テニスコートもあったのだとか。狭くなったのは、もちろん崖が崩落していったから。それを食い止めるためなのでしょうか、地面にワイヤーが打ち込んでありました。
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 しばらく待っていると、トロッコが到着しました。工事用資材はほとんど車での輸送になっているらしいのですが、トロッコは今もこうして生活物資や人員輸送に活躍しています。
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 そしてお待ちかねのトロッコ乗車なのですが・・・。これまでの疲れと心地良い揺れのせいか、眠りの世界に行ってしまいそうな雰囲気に。ちなみに落下防止のためということで、子どもは下山の進行方向に対して右側(崖に面していない側)に乗るように言われます。あっ、わたしは窓の外などをガン見してましたよ。遠ざかっていく白岩砂防堰堤。ところが次々と砂防堰堤が現れます。いくつもの砂防堰堤で食い止めようとしていることがよくわかります。また、過酷な自然環境を予想させる、鉄道関連施設の壊れっぷりも見ることができました。実際、走行中に線路上への落石があったため、停車したことがありました。
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 スイッチバックの迫力は、残念ながらうまく撮ることができませんでした。それでもなんとか見やすい写真をと見つけたのがこの2枚。高低差の変化に注目です。車窓からは、もっと強烈な高低差も一瞬ですが、何度も見ることができました。今回のような夏真っ盛りではなく、草の少ないシーズン明けの頃のほうが、スイッチバックの高低差は見やすいかも知れません。
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 まとめ。正直、1回乗れればそれでいいと思っていました。ところが実際には、日々崩落を繰り返す立山カルデラは、日々その姿を変えています。また、それに対応するために、日々砂防工事も進められています。そうした変化を見るという意味では、1回では到底足りないのだと思いました。もちろん、山や草花が好きな人には、季節ごとのそれらの変化も見逃せないと思います。

 こうした過酷な場所を見ることができるのは、もしかしたら限られた時間の奇跡なのかも知れません。本当に危険だったら、学習会だって開催できませんから。砂防工事の現場も、全国的には無人化されてきているらしいので、今のうちに何度でも見ておきたいと思いました。
posted by てつりん at 22:03| Comment(2) | TrackBack(0) | おでかけ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんな事になっていたんですね。立山。
洞窟近辺は地盤がもろいことが多くて、
崩落で通行止めや廃道の荒場、
新トンネルの付け替えなどをよく見ていますが、
これほど崩落の激しい現場は衝撃だろうと思います。

寝太郎も見たいと言っていましたが、
やっぱり、
自分の目でしっかり見てきたいところだなぁと感じました。

もちろん、トロッコも(^^)
Posted by 恩田雅彦 at 2012年10月09日 03:33
えぇ、絶対に実際に見たほうがいいです。
ガイドさんも、「あれ?前回はこんなんだったかな?」って
反応をされていたところがあったので。
それくらい崩落が激しいです。

トロッコをお目当てに行ったのですが、
それ以上に、ほかの部分に強烈なインパクトがあります。
Posted by てつりん at 2012年10月09日 23:38
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