2020年09月21日

はりぼて、観てきた

【下の方に行くほど、ネタバレを含みます】

 先日、映画を観てきました。映画の公式サイトはこちらから。公式サイトに行くと、予告編がまず流れるようです。

 行ったのはシネモンド。たまに行くんですよ。なかなかおもしろい映画をやっている。そう思っていたのに、いつの間にか終わってしまった映画も数知れずあるんだけど。
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 前の日に、監督による舞台挨拶がありました。それも興味あったけど、仕事の予定があって(結局なくなったけど)行けなかったんだ。
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 その舞台挨拶というか映画が始まるよってことが、こっちの地方局でも報じられていたみたい。そのためかかなりのお客さんだったなぁ。

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 どんな映画かというのは、上の写真中の記事が一番シンプルでわかりやすいと思う。これだけ攻めてる映画が、富山県内でも上映されるらしいってのもなかなか(笑)。


 映画はなんだかコメディーであるかのように進みます。まぁ、次々に政務活動費の不正が出るんだけど、その理由が基本的にしょうもないからね。飲む金が欲しかったとか。行った出張の記憶がなさすぎるのも一種のコメディーだ。まぁ、そもそも政務活動費の不正に絡む出張なんだから、行ってるわけないんだけどさぁ。

 ところが途中からは、だんだんと雰囲気が変わってきます。発覚しても辞職しない人。議会事務局の職員の机の中を物色して罪に問われているのに辞職しない人。なんとなく流れる、「またか」の空気。そしていまいち当事者意識のない市長。まぁ、地方議会議員と市長はそれぞれ別ルートから選ばれているわけで、変に当事者意識があっても制度論的にはおかしいんだけど。作中でも市長が、「それが二元代表制なので(議会のことに対してコメントすべき立場にはない)」と言う場面が何度か出てきますがね。それでも議員報酬を含め、予算の執行は市長の仕事なので、完全に無関係というわけではないと思うし、作中でもその点を追及しているように見える質問が出てきますがね。

 最後まで観ての疑問は2つあったかなぁ。終盤で、なぜ監督でもある五百旗頭さんが退職するのか。本来の報道のあり方ではなくなっていく、みたいな趣旨の発言が出てくるんだけど、そこんところは具体的に何を指しているのか。観た感じでは、不正を糾してはいるんだけど、結局のところよくならない。不正を糾しているだけでそこから先の提案性がない。批判だけをしていて、その先の建設的なものがないという、現代の報道のあり方のことを指しているのかと思ったけれど、正直よくわからなかった。

 そして、タイトルにあるはりぼてとは何なのか。最初は腐敗した市議会のことを指してるんだろうと思っていたけれど、それだけじゃないよなあと。市長のことにも見えるし、不正を糾すだけでその先がないように見える、空疎な報道をするマスコミのことにも見えるし、もっと大きな民主主義のことを指しているようにも見えるし。というわけであれこれと調べてみたところ、次の2つがなかなか興味深かった。

地方テレビ局がジャーナリズムを体現? 映画『はりぼて』が描いた“日本社会の縮図”

「メディアがチェック機能を果たすのが基本中の基本。注目されること自体、今の日本を物語る」『はりぼて』五百旗頭幸男監督インタビュー前編

【こういうのも見つけたので、追記します】
チューリップテレビのドキュメンタリー映画「はりぼて」が「恐るべきコメディ」と評される理由とは?

「何かしらの圧力を受けたので、退職したというわけではない」という話が載っています。ちなみに今は、石川テレビにいるらしいですね。TBS系のチューリップテレビから、フジ系の石川テレビへ。いや、そういう余計なことは、この人に対してはいいと思うんだけど、いいのかまずいのかはこれからの仕事が語ってくれるような気もします。

 読んでから行くとネタバレになっちゃうかも知れないけれど、読んだ上でもう1回観るのもいいかなぁって思ってしまいました。
posted by てつりん at 21:23| Comment(0) | 仕事っぽい話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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