
上表の赤で塗られた部分は空襲を受けている都市で、塗られておらず白くなっているのは空襲を受けていない都市です。そして番号は、目標計画順位を示しています。順位が上位で、空襲を受けていない都市としては、原爆投下対象から外されたと言われている京都、実際に投下された、または投下候補とされた広島、長崎、小倉、新潟や、B29の飛行距離の問題から到達が難しかったのではないかと考えられる札幌、函館、小樽が挙げられます。実際には旭川にも、B29による空襲があったようですけどね。
で、気になったのが、金沢の扱いについて。金沢は空襲を受けていないと言われています。理由としては、特に目標とするような軍需工場がなかったからだとされています。でも、ホントにそうなのでしょうか。軍需生産最優先の時代に、金沢ほどの人口を抱えながら、目標とするような軍需工場がなかったというのは、どうなんだろうと。『原爆投下報告書』によると、かなり上位の攻撃目標なんですけどね。そこについては古い地図や新聞などを探せば出てくるのではないかと。
攻撃目標となった都市には、そうなる理由があるのだろうと思われます。では、攻撃目標にならなかった都市にはどんな理由があったのか。それを明確にすることは難しいと思います。ただ、よく言われているような、金沢には軍需工場がなかったからだとか、金沢は軍都ではあったが主要な機能は金沢になかったためさしたる意味がなかったとかいった理由に対して、ホントにそうかという検証を試みることはできる気がします。そういう感じで、地域の歴史を地道に掘り起こすような活動をされている方がどこの街にもいらっしゃいますが、おもしろそうだからやってみたいような、そんなことを考えないようにのんびり余生を過ごすのがいいような、ちょっと考えてしまいます。
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