2007年09月20日

感動のシャングリラへ

 東京で何をしに行ったのかと、思っていた方もいるかも知れません。えぇ、ジブリ美術館も、向井潤吉アトリエ美術館も靖国神社も、上野動物園もさておき。というほどのイベントのために行ってきたんですよ。

 そのイベントとは、シャングリラ3。今年の1月の段階からチケットを押さえ、6月下旬に開演してからもずっとこの日を待ち続けてきました。やっと9月17日という日に到達した喜びと、同時に終わりの始まりがやってきたという寂しさが入り交じる。開場の17時過ぎに代々木第1体育館に到着し、グッズを購入して早めに席に着く。まだ動かないシャングリラのステージや、周辺のお客さんの様子などを見ながら、開演を静かに待つのも悪くない。むしろこの時間が、最も楽しい時間なのかも。

 しかしきょうは昼夜2公演の日。最終日ということもあり、ユーミンはじめ関係者の疲労もピークに達していることでしょう。声の出ていないステージを見たこともあるだけに、お世辞にも歌のお上手な方ではないだけに(爆)、個人的には体調が気がかり。19時開演を20分近く過ぎて、開場が暗転しました。いよいよシャングリラの始まりです。



 



 実は事前にセットリストを見ていたのですが、その感想が「なかなかマニアックな曲をやるんだねぇ」というもの。さらにはいわゆる知る人ぞ知る名曲の類も多いけれど、そこまでディープなユーミンファンでない人も多数来るだろうに、この選曲においてどこで盛り上がろうというのか。そういう意味では4年前の、シャングリラ2の方が一般受けするでしょう。

 松任谷氏などもいろいろなところで語っていたように、今回は最もストーリー性が高い。確かに哀しい恋を中心に据えて、新曲「人魚姫の夢」が見事に栄える世界観を構築したと思えるのは事実。しかしこの部分が、どこまで多くの人に通じるんだろうか。そういう不安はありました。事実ネット上では、選曲の地味さに起因する部分が大きいのでしょうが、批判的な論調もありましたしね。

 とりあえずそれをさしおき、わたしの見た感想。

目が2個しかないのが惜しいと思った。
感じるものに対する処理能力が、
脳みそ1個分しかないのが悔しかった。
 

 そんなところでしょうか。それだけいろんなところで、いろんな事が起こっている。しかもそれらひとつひとつが綿密に構成されたものだったり、常人にはできかねる高度な技術によるものだったりする。もちろん、ひとりひとりの、小さな努力と工夫の集大成でもある。これをわたしの目の前で実現するために、どれだけの人がどれだけの力を振り絞ったのだろう。キャストやスタッフには超人もいるだろうけれど、凡人だってたくさんいただろう。彼らは乾いたぞうきんを絞るような努力の果てに、シャングリラを現出させている。そう思うと、涙が止まりませんでしたよ。いや、正確には、突き動かされた感情が、脳みそで処理しきれないほどの、つまり言語表現できないほどの感動に達したが故の涙だったのかも知れない。

 哀しい恋がテーマだと聞いてはいましたが、アンコール最後の「Carry on」で救われた気がしました。悲しいことばかりだけど、それでも私たちは生きていくんだよというメッセージを、この曲から感じました。そしてダブルコールは「ひこうき雲」。はかない。はかなすぎる! かつてこの曲を、とある場面で歌おうとしたときのことを思い出してしまいました。ダブルコールのなかった会場も多いのですが、やはり「ひこうき雲」あってのシャングリラ3であったような気がします。

 しかし最終日の最終公演。「ひこうき雲」で終わらせてくれなかったのが会場の総意。22時50分新宿発のバスに乗りたいのに、これに乗らないと帰れなくなるのに、時計の針は22時10分あたりを指していました。音楽監督の武部さんと少し話して、流れ出したイントロが「春よ来い」。もはや帰るどころの話じゃないですよ。ロシア人を中心とするサーカスアクトなどのメンバーが、ユーミンを取り囲んで座り出す。メンバーに、そして観客に、囲まれて歌うユーミン。

 シャングリラはシャングリラであるがゆえに、いずれ消えてしまいます。映像で残せても、その日その場の空気感までは残せない。WOWOWで放送されても、DVDが出ても。でも、17日の夜に起こったことを、会場に流れた空気を、わたしは一生忘れない。35年も第一線で活動してきたアーティストが、一生忘れないって言うくらいのものなんだから、当然崇拝者のわたしも忘れられるわけがないのでした。
posted by てつりん at 22:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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